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[US2006]微妙な判定をビデオで判断したその後

大画面にリプレーが映し出されるインスタントリプレーシステム導入で思ったこと。


全米オープンでは、審判の判定に選手が”?”と思ったら、ビデオでそのプレーを見て再度判定を下すいうシステムが導入された。

インスタントリプレーシステム紹介記事
WOWOW TENNIS ONLINE
ATPツアーの副理事長のGayle Bradshawは、「インスタントリプレーシステムのおかげで、ライン審判の存在を必要としなくなる日が来るだろう」と予測している。「そう遠くない日にね」

航海中・・・: [US2006]微妙な判定にビデオシステム導入


使い勝手は

実際に使われたシーンを準々決勝シャラポアvゴロビンで見てみると。

シーン1
第1セット第3ゲーム、ゴロビンが打ったサーブをシャラポアはフォルトと思い軽く打ち返したら、そのシャラポアのショットがOUTの判定でゴロビンにポイント。

シャラポアはゴロビンのサーブの落下点をラケットで指し、クールにチャレンジを要求。
すぐに大画面に今のボールの奇跡がCGで再現される。ゴロビンのサーブは明らかにラインを超えており、OUT!すなわちフォルト。
(シャラポアのショットの前に、そもそもゴロビンのサーブがOUTなので、ゴロビンのポイントは取り消され、シャラポアのポイントとなる)
これはどちらのプレーヤーも特に表情やリアクションは無くすぐにプレーが再開された。

シーン2
第1セット第10ゲーム、シャラポアの打ったサーブがゴロビンのボディに来た、ゴロビン打ち返せなく、シャラポアのポイントかと思われた。 しかし、ゴロビンの視線はシャラポアのサーブの落下点にあり、チャレンジを要求。

大画面に再生されたCGは、際どくOUT!シャラポアのサーブはフォルトの判定に覆った。
ゴロビンは笑顔で右手のラケットと左手で軽く拍手。
おそらくゴロビンは今大会通じて、これが始めてのチャレンジだと思う。


シーン3

同じく第1セット第10ゲーム、シャラポアのサーブをゴロビンのリターンエースが決まる。
疑わしげにライン際を見つめるシャラポアがチャレンジを要求。
再生されたボールの落下点は、ラインにかかってはいるものの”IN”の判定。
シャラポアのチャレンジは失敗。審判の判定は正しかった。
自信のあったゴロビンの顔は動じていなかったし、シャラポアも表情的には変らなかった。

シーン4
第2セット第3ゲーム。シャラポアの5つ目のサービスエースが決まったところで、ゴロビンがすかさずチャレンジを要求。 映し出されたボールはライン真上に落下。INの判定でゴロビンのチャレンジ失敗。
まとめ
上記の<シーン1>は明らかにミスジャッジであり、微妙でも際どくもなかった。 <シーン2>もミスジャッジ。 <シーン3>は選手(シャラポア)の間違い。 <シーン4>も選手(ゴロビン)の間違い。際どかった。

シャラポアのチャレンジは、1回の成功と1回の失敗。
ゴロビンのチャレンジも、1回の成功と1回の失敗。
審判から見ると、2回のミスジャッジを犯し、2回の不当なクレームを受けたことになる。

データは

The US Open 2006 - Grand Slam Tennis - Official Site by IBM - Scores and Stats
男)総チャレンジ数=141 成功数=43 失敗数=98 成功率=30.50%
女)総チャレンジ数= 53 成功数=19 失敗数=34 成功率=35.85%


審判の立場は


データを見ると約3割のチャレンジが成功している。
これは3割のミスジャッジがあった。
ということである。

全ての判定ではなく、いくつかあるコートのうち2つのコートでこのシステムが使え、そこでプレーした選手が”怪しい”と思ってチャレンジ権を行使したなかでの3割がミスジャッジだった。ということだ。
(もっとチャレンジしたいと言う選手もいたかもしれないし、試しに使ってみたという選手もいるだろう)
そして、チャレンジ(=再判定)した7割は選手が”怪しい”と思っても審判の判定は正しかった。ということになる。

3割のミスジャッジが多いのか少ないのか。
俺は多いと思う。プロの試合の審判で3割のミスは非常に痛い結果だと思う。

この3割があるために、選手は審判の判定に疑心暗鬼を生じ、プレーに集中できなくなる。

準決勝でヤンコビッチが再三審判につかかっていったのは、この辺にあると思う。
わざわざビデオを見るまでも無く、ちゃんと自分の目でしっかり判定しなさいと、それがあなたたちの仕事でしょ、というようなことを試合後のコメントで言っていた。
自分のチャレンジが続けて成功すると、自分に不利なミスジャッジが続いたと言うことが、このリプレーシステム導入で確定したことで、心中穏やかではいられない。

今までは「ミスジャッジじゃないのか・・・?」が、はっきりと「ミスジャッジでした」、ということがプレー中にわかるということは審判に対する不信感につながる。

まあ、「ミスジャッジじゃないのか・・・?」という時点で不信感は持つでしょうが、はっきりとわかることで、より色濃く不信感を持ってしまうのではないか。

ただ、そうなってしまうのは選手のメンタル面でのコントロールが優れていないからかもしれない。

象徴的なのは決勝戦のシャラポアvエナンの試合。
際どい判定もあったがチャレンジは一度も使われなかった。
チャレンジを使う精神的な余裕が無かったのか、そこに費やされる微妙な間やペース配分の調整を嫌ったのか。
あくまでも、チャレンジを要求するのは、最後の手段であってほしい。


一方、7割のチャレンジ失敗ということは、選手の判定に対する”怪しい”という考えの7割はあてにならない。選手の判断は正しくない。ということである。

サッカーの試合でもそうだが、選手が審判に喰ってかかっているシーンの大半は、審判の判定が正しい。

この喰ってかかる、クレームをつけるという行為がチャレンジすることにより、自分の判断の甘さがわかることで、つまらない時間を割くことがなくなるかもしれない。

観客は選手が審判にどんなクレームをつけているのかわからなかったが、このインスタントリプレーシステムの導入で、その内容がわかるので好評のようだ。

今のところこのシステムの導入は、全体的には好評のようだ。というか、プレーの進行が遅れるような失敗は無かった。
大きな欠点が無いのでとりあえず、もう少し続けてみようという段階か。

このシステムを使えるコートが限られているため、ベスト4以上だけの導入にすればいいのではないかと思っている。


このインスタント・リプレーシステムは、来シーズンの全豪オープンでも使われることが決まった。
asahi.com:テニスの全豪オープンでビデオ判定導入 - スポーツ

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